空気で柔軟に変形する「ロボブロック」が面白い【動画あり】
山形大学の森智晴大学院生と小川純プロジェクト准教授、古川英光教授らは、ソフトモジュール型ロボブロック「MORI―A」を開発した。シリコーン製のキューブから空気を抜くと縮んだり曲がったりする。この動きを組み合わせてロボットハンドを構成したり、多脚ロボットを構築したりできる。産業向けの用途ではグリッパー、消費者向け用途では知育玩具などに提案していく。
一辺24ミリメートルのシリコーン製キューブの内部に格子状の構造体を入れて変形の仕方を決める。例えば収縮キューブには一方向に縮みやすい格子構造、屈曲キューブでは格子の大きさと配置を工夫して曲がるようにした。このキューブを連結して内部の空気を抜くと、キューブが小さくなると同時に内部の構造体に応じて変形する。
収縮キューブは半分の大きさに縮み、200―1000グラムの物を引き上げられた。屈曲キューブは一つは約25度曲がり、6個つなぐと180度以上曲がった。せん断変形と無変形も用意した。この4種を組み合わせて動きを設計する。空圧に加え水圧などでも駆動できる。
実際に対象を包んで把持する格子型ハンドや2指ハンド、四脚歩行のブロック体を構築できた。キューブが軟らかいため、拍動させて生き物のような表現もできる。教材や玩具としては中学生程度なら組み立てられる。今後、水中生物の模倣ロボットを構築する。高分子学会が開いた高分子ゲル研究討論会で発表した。
日刊工業新聞2022年1月26日