ニュースイッチ

全固体より新規投資抑えられる「半固体電池」、22年度に販売開始

大阪ソーダなどが開発
全固体より新規投資抑えられる「半固体電池」、22年度に販売開始

大阪ソーダの電解液用ゲル化剤「特殊ポリエーテル」でゲル化した電解質

大阪ソーダは山形大学の森下正典産学連携准教授、同大発スタートアップのBIH(山形県米沢市)と共同で、半固体電池を開発した。リチウムイオン電池の液体電解質を大阪ソーダのゲル化剤で半固体化することで、液漏れや発火のリスクを低減した。半固体電池は実用化の一例としてBIHが補助電源付きのスマートフォンケースを商品化し、2022年度内に販売開始を目指す。

従来のリチウムイオン電池は引火性の電解液が使われており、液漏れや発火など安全性に課題がある。3者は大阪ソーダの電解液用ゲル化剤「特殊ポリエーテル」を用いて電解液をゲル化し、半固体電池を開発した。特殊ポリエーテルは、大阪ソーダのエーテルの化合物を重合する技術を応用して開発した。

半固体電池は基本的に、リチウムイオン電池と同じ設備を使用して製造できるため、全固体電池と比べて新規の投資を抑えられるメリットがある。

日刊工業新聞2021年12月10日

編集部のおすすめ