「金属空気電池」に役立つ。ホヤ殻のCNFから高性能な触媒の合成に成功した

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ホヤ殻由来CNFの焼成により炭化したナノファイバーと血炭成分が混合(東北大提供)

東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授らは、ホヤ殻などの海洋と畜産の廃棄物から高性能な電池用触媒を合成することに成功した。ホヤ殻中のセルロースナノファイバー(CNF)を炭化して得た炭素に、畜産業から出る廃棄血液を混合、合成して作る。レアメタル(希少金属)を用いた電極触媒と同等の酸素還元・酸素発生反応の触媒活性を持つ。産業廃棄物を燃料電池や金属空気電池、水素製造のための水電解用電極触媒として役立てられる。

日本で古来より漂白剤などとして使われてきた、炭に動物の血液をかけて焼成する「血炭」を応用した。 ホヤ由来のCNFと乾燥血粉を最適な混合比と温度で焼成することで、ナノサイズ(ナノは10億分の1)の炭素構造と、鉄や窒素、リンなど血液由来のヘテロ元素が複合化した「ナノ血炭」となる。

このナノ血炭を用いた電極触媒の性能の指標となる開始電位差は、約936ミリボルトだった。高性能な電極触媒とされる白金炭素触媒でも約940ミリボルトだった。ナノ血炭は、炭素の導電性とヘテロ元素の高い触媒活性により高活性を示す。

北海道大学、宮城大学、東北大発ベンチャーのAZUL Energy(アジュールエナジー、仙台市青葉区、伊藤晃寿社長)との共同研究。 ホヤは三陸地方の特産だが、殻は大量の産業廃棄物となる。また、畜産業から出る廃棄血液は河川の汚染につながるため処理が課題となっている。

日刊工業新聞社2022年1月24日

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