フィルム上に半導体回路を形成、東レがカーボンナノチューブの塗布技術を確立

東レが売上高100億円規模へ

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ポリエステルフィルム上に塗布形成した半導体回路

東レは、独自の高性能半導体カーボンナノチューブ(CNT)複合体を用いて、フィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を確立した。同社は2年前、ガラス基板上に塗布型として世界最高レベルの性能を持つ半導体の作成に成功しており、これを改良した。無線識別(RFID)用途やセンサーなどへ訴求し、将来は売上高100億円規模へ拡大を目指す。

半導体CNT複合体は、CNT表面に半導体ポリマーを不着させたもの。CNTの導電性を維持しながら均一に分散でき、分散液を塗布して半導体を作成する。東レは同技術を用いて、半導体中の正孔・電子の動きやすさ(移動度)が塗布型で世界最高水準の1ボルト秒当たり182平方センチメートルを達成している。

今回フィルムに対応するため、各材料を改良してプロセスを低温化・短時間化し、フィルムの伸縮を抑制した。東レエンジニアリング(東京都中央区)の形状追従型高精度インクジェット技術を適用し、各種半導体回路やメモリーを形成できるようにした。あわせて汎用ポリエステルフィルム上にUHF帯RFIDや水分検知センサーを作成し、無線動作することを実証した。

流通向けRFIDタグや偽造防止、医療・介護現場などでの活用を目指す。印刷による小ロット生産への対応に加え、シリコン半導体に比べ製造工程がシンプルなためコスト削減も期待できる。

日刊工業新聞2022年1月18日

キーワード
半導体 CNT 東レ

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