ファンド出資でベンチャー支援、全ての国立大学で可能になる!

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文部科学省は大学発ベンチャー(VB)向け民間ファンドに対する出資を、全国立大学法人で2022年4月から可能にする。現在は政府資金によるため、東京大学など4国立大の政府系ベンチャーキャピタル(VC)のファンドに限られている。少額でも独自資金で多様な国立大が出資すれば、地域ファンドの信頼性も高まり、内閣府事業「スタートアップ・エコシステム拠点都市」などの後押しになる。21年度内に関連法令を整備する。

国立大のVCファンド出資は、政府の官民ファンドの一つとして国費で東大、京都大学、大阪大学、東北大学を対象に始まった。政府資金が前提で、VC・ファンドに文部科学・経済産業両大臣の認定が必要なほか、上場が近いVBへの投資を避けるなど「民業補完に徹する」という規定があり、実際は他大学では難しい。そのため東京工業大学、名古屋大学、広島大学、九州大学など、4大学以外は大学発VB投資を主軸とする地方銀行ファンドなどと提携する形にとどまっている。

文科省の19年度調査では、過去5年間の大学発VB設立数が4大学で313社、それ以外の国立大などで452社になるなど、多くの大学が力をつけてきた。国立大が自ら獲得した自己資金の一部を、ファンドに出資するニーズが高まったことに対応。4大学向けと別に、全国立大が動ける新たな仕組みを整備する。

大学の研究成果から生まれた大学発VBを、大学はファンドを通じて支え将来、リターンを得る産学連携の新手法となる。大都市でなくても徳島大学や、鳥取大学・島根大学のように、地元金融機関や自治体との地域活性化に熱心なケースがある。各国立大の特色にあった展開が期待されそうだ。

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日刊工業新聞2022年1月13日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

新しい仕組みでは既存のVCやファンドに対して、国立大がしっかり関与できるようになり、「地域一丸で新事業を創出するぞ!」と意気が上がることだろう。ただし国立大の独自資金(運営費交付金などではない)を使うとはいえ、大失敗になっては具合が悪い。そのため大学からVCやファンドへ出資する事業計画の認定は文科・経産両大臣が行い、大学からファンドへの個別の出資(何回かに分けて出資するケースもある)の認可は文科大臣が行うという。規制緩和と安全性確保のバランスが、国立大の改革では常に意識されている。

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