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定額制乗り合いサービスに参画するKDDIの深謀遠慮

定額制乗り合いサービスに参画するKDDIの深謀遠慮

都内で開いた発表会で新サービスを説明するKDDIの高橋誠社長

KDDIは、ウィラー(大阪市北区、村瀨茂高社長)と合弁会社を設立し、定額制の近距離乗り合い交通サービス「モビ」を2022年1月から共同提供する。高齢者の免許返納後の交通手段確保が課題となるほか、コロナ禍で自宅近辺での移動ニーズが高まっている。KDDIは協業先との連携を通じ、通信やデータ利活用によるモビリティーサービスを拡充する。(苦瓜朋子)

「通信が裏側に入りながら都市と地方、人、モノ、コトをつなぐサービスを実現したい。モビはその第1弾だ」―。高橋誠KDDI社長は22日に都内で開いた発表会で新サービスの狙いをこう説明した。

新会社「コミュニティーモビリティー」の出資比率はウィラーが51%、KDDIが49%。社長にはウィラーの村瀨社長が就く。

モビは、ウィラーが6月に始めた自宅から約2キロメートル以内の生活圏での移動のためのサービス。東京都渋谷区、京都府京丹後市、名古屋市千種区の3地域で展開している。月額料金(消費税込み)は5000円で何度でも乗車可能。アプリケーション(応用ソフト)や電話で配車でき、利用者の乗降場所や利用時間を基に人工知能(AI)で最適な経路を割り出して効率良く運行する。

今回KDDIが参画することでデータ活用を加速させる。例えば、スマートフォンの位置情報による人流データを活用して短距離移動が多い地域に展開する。全国60の自治体と結ぶ地域連携協定や、2300店舗超の販売店網も生かす。22年以降にモビを北海道から九州まで22エリアに拡大する計画だ。

KDDI子会社で子ども向け仕事体験施設「キッザニア」を運営するKCJグループ(東京都中央区)と連携し、施設への無料送迎などのサービスも検討する。

高橋社長は今後の展開について、「移動のプロフェッショナルであるパートナーを通じ、顧客に新たな生活スタイルや付加価値を提供したい」と述べた。

日刊工業新聞2021年12月23日

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