NECが顔認証を進化させる新技術
NECは、顔情報を暗号化したまま認証を可能にする「秘匿生体認証技術」を開発した。顔認証サービスの提供者が扱う顔情報はすべて暗号化された状態になるため、万が一暗号化された顔情報が漏えいしても、なりすましなどに悪用されるリスクを低減できる。また、復号するための秘密鍵をユーザーが持つことで、サービスの提供者側では顔情報を復号できないため、顔認証サービスを安心して利用できる。
具体的に、データを暗号化したまま加算や乗算などの演算を実行可能な「準同型暗号」技術を用いた顔認証の処理を効率化し、比較的処理の軽いオンラインサービスへのログインなどに用いる「1:N認証」にも適用可能な技術を開発した。
施設の入退場管理や決済などの「1:N認証」では、準同型暗号が苦手とする複雑な演算を含む認証処理を登録ユーザーが数分行う必要があった。
日刊工業新聞2021年12月17日