米科学誌サイエンスが選定、2021年・10大科学業績のトップは?
米科学誌サイエンスは、17日号で2021年の10大科学業績「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」のトップに、人工知能(AI)によるたんぱく質の立体構造予測を選んだ。疾病治療薬の開発などに役立てられることから、ゲノム編集のCRISPR/Casや低温電子顕微鏡法に匹敵する革新的な業績と評価している。
対象となったのは、二つの研究チームによる別個の成果。米グーグル系の英ディープマインドが「アルファフォールド2」を、米ワシントン大学が「ロゼッタフォールド」を開発した。いずれもたんぱく質に含まれるアミノ酸の情報をもとに、幅広い種類のたんぱく質の複雑な折り畳み構造を、短時間に高精度で予測できる。
その他の注目業績には、新型コロナの抗ウイルス治療薬、新型コロナや感染症に対する人工抗体、地上探査機による火星での地震観測、CRISPRの臨床応用、米国立点火施設(NIF)でのレーザー核融合実験の進展などが選定された。
日刊工業新聞2021年12月17日