地中熱や太陽熱を使った空調システムを実証、豊田自動織機の役員が語った意義
豊田自動織機は、地中熱や太陽熱といった再生可能エネルギー熱を利用した空調システムの実証装置を大府工場(愛知県大府市)に導入し、実証試験を始めた。食堂エリアの空調の約3割をまかない、3割の二酸化炭素(CO2)排出量削減を見込む。2023年度までに20%以上のトータルコスト削減という目標に向け、保守・運用面での課題を抽出する。
導入した「天空熱源ヒートポンプ(SSHP)システム」は、鹿島とゼネラルヒートポンプ工業(名古屋市中村区)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業で開発した。現場への導入は豊田織機が初めて。外気温などの条件に応じてヒートポンプを使う場合と使わない直接熱利用に自動で切り替え、既存のガスヒートポンプに比べてエネルギー効率を40・2%向上できるという。
実証事業は23年度までだが、30年までにトータルコスト30%以上削減、投資回収年数8年以下の実現を目指している。豊田織機の粥川浩明経営役員は「先進的な取り組みの貴重な機会で、知見を自社にも生かしたい」と意義を説明した。
日刊工業新聞2021年12月17日