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食用油は年4回…相次ぐ食品値上げ、今後はどうなる?

2021年は食料品価格の値上げが相次いだ。大豆や小麦など穀物の国際相場上昇によるもので、食用油メーカーは21年だけで4回値上げ。原材料における食用油の比率が高いマヨネーズや調味料のほか、小麦粉、パンなど値上げラッシュとなった。穀物価格の上昇は気候変動による収量減少が背景にあるとみられ、今後も警戒が必要だ。

最も価格の上昇幅が大きかった食用油は、日清オイリオグループ、J―オイルミルズ、昭和産業の大手3社が4月、6月、8月、11月と4回値上げ。1年で価格を4回引き上げるのは07年以来14年ぶりとなる。家庭用の1キログラム当たりの価格は年初に比べて100円以上値上がりしている。

この影響を受け、マヨネーズやドレッシングなどの調味料を販売するキユーピーと味の素が7月に値上げ。いずれも値上げは13年以来、8年ぶり。両社は22年3月の値上げをすでに発表している。またキッコーマンも大豆の価格高騰を受け、22年2月から、しょうゆ、豆乳など216品目を値上げする。キッコーマンの値上げは08年以来14年ぶりとなる。このほか、22年にはパンやポテトチップス、麺類、冷凍食品類など、最終製品も続々と値上げを公表しており、ガソリン価格の高騰などと合わせ、家計の負担は一層重くなる。

足元の食料品価格の高騰は経済成長による需給ではなく、国際相場の上昇という、いわば外圧によって起きている。日本経済はあくまでデフレのスパイラルの中にあり、物価は低水準のままで賃金の上昇率も新興国など諸外国に比べて低い。

穀物の収量減少が一過性の天候不順ではなく、気候変動によるものであれば、穀物の国際相場の上昇は今後も続く可能性が高い。日本はデフレという構造的な問題を抱えながら、中国やインドなど購買力が高い大国と国際市場での競争を余儀なくされる。食料品価格の上昇は家計の話にとどまらず、日本経済の国際競争力の課題を示唆している。

日刊工業新聞2021年12月10日

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