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化学メーカーがエネルギー効率を改善したユニークな手法

化学メーカーがエネルギー効率を改善したユニークな手法

生産設備冷却用チラーそのものの更新も省エネに大きく寄与

太陽インキ製造(埼玉県嵐山町、峰岸昌司社長)がユニークな手法でエネルギー効率を改善している。空調や生産設備の冷却に使うヒートポンプ(HP)で、本来こまめに調節するべきところを逆にフル稼働させることで機器への負荷を減らし、省電力を達成。また工場内に複数設置していた温度センサーをすべて取り外し、空調機のみに付け替えることで構内の温度バランスを改善。場所による寒暖差を解消し、快適性とも両立させた。

2015年度に省エネルギー活動を一段と加速し、19年度にエネルギー原単位で前年度比17・8%減を達成。日本電気協会関東支部の表彰で最優秀賞を2年連続受賞した。「なるべくお金をかけず、1年に20項目を実践している」(佐藤和彦製造技術部設備課長)という細かい活動の積み重ねで、20年度も同8・5%減を達成した。HPも調整弁をあえて全開にしたことで熱の通りが良くなり、チラーの循環水も「途中の抵抗がなくなったことで水温の上昇を抑えられた」(同)そうだ。

日刊工業新聞2021年5月7日

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