CO2からリチウム電池原料を製造する技術がスゴイ。旭化成が海外大手とライセンスを契約
旭化成は、二酸化炭素(CO2)からリチウムイオン電池の電解液原料を製造する技術について、海外大手化学メーカーと第1号のライセンス契約を結んだ。高純度エチレンカーボネート(EC)を年3万8000トン、高純度ジメチルカーボネート(DMC)を同7万トン製造できる設備技術を提供する。同電池の環境負荷軽減に貢献する。
旭化成の技術は原料の半分にCO2を使うため、今回提供する技術で年約5万トンのCO2を削減できる。ECやDMC含む自動車部材は、製造時における環境負荷低減が求められており、このニーズと旭化成の技術と合致した。EC・DMCは電解液の溶剤として世界中で需要が増加している。
旭化成はもともとCO2を原料にポリカーボネート樹脂(PC)を製造する技術をライセンス提供しており、EC・DMCはPC製造プロセスの途中で生産される中間体。同社はPC製造プロセスの一部をパッケージ化し、EC・DMC製造技術として提供する。
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日刊工業新聞2021年7月5日