京セラの触感伝達技術が進化、フィンランド社の技術を融合
京セラは、リアルな触感を再現する触覚(ハプティクス)伝達技術と、プラスチック成形の中に電子回路を封じ込める技術を融合した「ハプティビティ・アイ」を開発した。同技術はディスプレーのボタン操作など、触覚伝達機能を用いるモジュールの薄型・軽量化、部品点数の削減などを実現する。車載や医療、通信など幅広い分野での展開を想定。2022年春までに滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)内に試作ラインを設け、23年の量産開始を目指す。
京セラの触覚伝達技術「ハプティビティ」は、圧電素子を活用してパネルやディスプレーを指でタッチした感圧で微細な振動を起こし、リアルな触感を実現する。
4月にライセンス契約したフィンランドのタクトテックが開発した技術「IMSE」は、電子部品を搭載した印刷回路基板を射出成形プラスチック内に封入してカプセル化できる。両技術の融合で、多数の部品を組み立てる従来の機械式ボタンの代替が可能。新たなHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)デバイスの開発に役立つ。
京セラによると、20年のハプティクス市場は約3700億円。30年には約6000億円に拡大するという。
日刊工業新聞2021年11月16日