CO2濃度測定器で消費者市場に参入、背景にあるコロナとの深い関係
理研計器が初年度2000台販売へ
理研計器は、新型コロナウイルス感染症予防対策向け二酸化炭素(CO2)濃度測定器のBツーC(対消費者)市場に参入する。同測定器は飲食店やオフィスなどで導入が進む一方で、機種により測定精度のバラつきが大きい。是正のため経済産業省が測定器に関するガイドラインを発表したことを踏まえ、産業用検知器で培ったノウハウを一般向け測定器として製品化。12月1日に投入する。初年度2000台の販売を目指す。
発売する「CO2RK―Lite」は、光学式センサー・非分散型赤外線吸収方式(NDIR)を採用したCO2濃度測定器。NDIRは産業用CO2センサーで最も多く採用されている。産業用測定器に使う高精度センサーを用いつつ、外部出力や接点などを省略し、価格を抑えた。
価格はオープンだが、消費税抜きの実勢価格は3万5000―4万円を想定。夜間など人のいない状態のCO2濃度を1週間分記録し、最低濃度を自動調整する自動補正機能も搭載した。
大気中のCO2濃度400ppm(ppmは100万分の1)を基準に、通常時は緑色を表示。換気が必要な1000ppmになるとオレンジ、強制換気を促す1500ppmになると赤と、色と音の変化で知らせる。警報設定値は任意で変更が可能。スマートフォンやタブレットなどと連携し、計測したCO2濃度を確認できる。オフィス、病院、飲食店など多様な施設向けに提案する。
CO2検知法はNDIRのほか、固体電解式や光音響式などがある。方式や構造により測定精度に格差があるほか、アルコールなどの外部干渉を受けるケースもある。このほど経産省が公表したガイドラインでは検知法にNDIR、光音響式などの光学式を採用することや補正機能を備えることなどを示した。
日刊工業新聞2021年11月8日