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「フル在宅勤務」を導入した大建工業が描く働き方制度の将来像

「フル在宅勤務」を導入した大建工業が描く働き方制度の将来像

在宅業務にあたる製品開発担当スタッフ

大建工業は在宅勤務規定を改定し、週に5日のテレワークを可能とする「フル在宅勤務」制度を導入した。まず入社3年目以上で、工場のライン勤務以外の転勤を伴わない正社員約200人を対象とする。今後労働人材の確保が難しくなる中、働き方の選択肢を増やすことで、優秀な人材の確保や採用につなげる。将来的には、転勤を伴う社員が活用できる制度設計も目指している。

フル在宅勤務では、各部門の所属長が、部下の評価方法など管理面で問題がないかを判断し、担当役員に申請。定期的に行われる執行専務会で承認を得る。今後、居住地が変わる場合も、在籍地とは異なるエリアでの業務が認められる。

新制度に伴い所属事業所が所在する特定の都道府県に対して支給する、大都市勤務手当の規定を改定。在籍地と居住地が異なる場合は、居住地の手当がつく。社員は、ライフスタイルに合わせて働く場所を選択できるメリットがある。

在宅勤務規定では、フル在宅勤務以外にも週4日の在宅勤務制度を新設。事前申請すれば所属長の許可のみで週4日のテレワークが認められる。

大建工業は2017年から億田正則社長のトップダウンで働き方改革を本格化。7時―19時30分以外のパソコン自動シャットダウンや、勤怠管理システムの改善などを進め、社員一人ひとりの生産性を向上。年間総労働時間を18年度の2030時間から21年度に1969時間までの削減を見込む。「フル在宅勤務には、まだハードルが高い部署がある。制度設計を改めながら全従業員が働きやすい環境をつくっていきたい」(管理本部総務人事部の黒田幸照部長)とする。

日刊工業新聞2021年11月1日

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