工作機械が相次ぎ値上げ、コスト高で価格転嫁に踏み込む

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高稼働が続くDMG森精機の伊賀事業所(三重県伊賀市)

工作機械業界で、部材価格や海上運賃の上昇を製品価格に転嫁する動きが広がっている。オークマは10月分から工作機械などの価格を3%上げた。牧野フライス製作所やDMG森精機も2022年から値上げする。各社とも従来から取り組んでいる生産や部品調達の効率化と合わせ、コスト高に対応。収益を改善して事業基盤を強化し、工作機械の安定供給につなげる。

オークマは工作機械などの製品と、施工や修理のサービスを含めて3%値上げした。牧野フライス製作所は22年1月の受注分から約3%値上げする。またDMG森精機は「現在顧客と交渉しており、22年からは(価格を)3%は上げたい」(森雅彦社長)としている。芝浦機械も成形機と同様、工作機械も値上げを決めた。

シチズンマシナリー(長野県御代田町)は現状は値上げを予定していない。ただ、中島圭一社長は「この状況がしばらく続けば検討する可能性もある」と価格見直しを示唆する。

工作機械の受注環境は好調が続いている。日本工作機械工業会(日工会)によると、21年9月の受注額は18年9月以来3年ぶりに1400億円を超え、8カ月連続で1000億円を上回った。各社の工場操業率も高水準の状態が続いている。

一方、半導体や電装品をはじめとする部品・部材の不足が続き、製品納期が延びている。さらに鋼材などの部材価格上昇やコンテナ不足による海上運賃高騰が重なっている。

工作機械メーカー各社はこれまで、製造現場の効率化や部品の集中購買などの自助努力により、製品価格の維持に努めてきたが、コスト高は一段と進んでいる。「今後もしばらく部材価格が落ち着く兆候はない」(高山幸久牧野フライス製作所執行役員営業本部長)との見方もあり、各社とも価格転嫁に踏み込む。


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日刊工業新聞2021年10月22日

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