電池メーカーの設備増強需要を狙え、片岡製作所が検査システムの工場に新ライン
2022年3月に稼働
片岡製作所(京都市南区、吹田昌志社長)は、二次電池検査システムを手がける京都市内の工場に新ラインを設ける。2022年の初めに着工、同年3月の稼働を計画。この投資で同システムの生産能力を従来比で約2倍に高める。コロナ禍の影響で、設備増強投資を先送りしていた国内外の電池メーカーで多数の案件が動きだしており、需要増加に対応する。
片岡製作所はリチウムイオン電池の充放電検査システムで世界トップシェア。脱炭素化の流れで車の電動化が加速し、引き合いが急増している。高容量型や全固体電池など新電池にも対応できるシステム開発も推進。受注状況を見極めつつ、投資タイミングを見計らっていた。投資額は数千万円。
二次電池検査システムは充放電工程、抵抗や電圧などのその他複数の検査工程、エージング工程、搬送などを担う多数の装置で構築する。同社はレーザー加工システムやライフサイエンス向け装置も手がけ、京都市内に6工場を構える。
今回の投資対象は多様な機器を扱う「システム工場=写真」で、二次電池の充放電検査以外の測定・検査装置もセル生産している。充放電検査装置の生産にも対応した上で、他の検査関連機器含めて効率的なライン生産に切り替える。
同社の売上高は70億円規模とみられる。二次電池検査システムに加え、レーザー加工システムも電子部品業界向け中心に好調。売上高を年率2割伸ばす目標を掲げる。
日刊工業新聞2021年10月21日