自動車部品メーカー、コオロギを使った昆虫食事業で生かす技術
ファインシンターは、自動車部品の技術を生かして展開するコオロギ食品の一般販売に乗り出す。本社を置く愛知県春日井市のアンテナショップなどで2022年初めにも販売を始めるほか、通信販売を同年春をめどに開始することを検討する。現在はふるさと納税の返礼品としての展開にとどまる。品ぞろえも現在のスナック菓子にラーメンを加え充実させる。生産体制の整備などにも取り組み、事業成長に弾みをつける。
ファインシンターは自動車部品の生産で培ってきた粉末冶金技術などを応用し、国産コオロギを粉末にしてコオロギ食品を商品化する。
第1弾はスナック菓子で6月に春日井市のふるさと納税の返礼品に採用された。第2弾はインスタントラーメンで、スープにコオロギ粉末を使用する。21年内にも同返礼品に採用される予定。一般販売時の価格は検討中。
事業拡大のため、21年内には本社工場(愛知県春日井市)で現状比5倍となる月100キログラムのコオロギ粉末を生産できる体制を整える計画。今後、コオロギをペットフード、サプリメント、化粧品などにも活用できないか可能性を探る。
コオロギは低脂質ながら高タンパク質で栄養価の高い食品とされる。同社はコオロギ粉を使った料理レシピのコンテストに協賛するなど、コオロギの食品としての知名度向上に取り組む。
同社は30年度に自動車部品以外の新規事業で売上高10億円(20年度実績はゼロ)を目指す。コオロギを使った昆虫食事業は新規事業の一つとして力を入れる。
日刊工業新聞2021年9月17日