盤石な財務で「稼ぐ力」を高めるリンナイの次の一手

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盤石な基盤生かし積極投資

ガス機器大手のリンナイは、盤石な財務体質を基に稼ぐ力をさらに高めていく。2007年3月期から営業利益率の改善に取り組んできたのに加え、22年3月期からは投下資本利益率(ROIC)を重点指標に設定。「リスクは増大する一方のため余裕を持っていたい」(内藤弘康社長)として堅実な経営を前提としつつも、効率的かつ積極的な投資を行い次の成長を目指す。

採算重視の営業体制に改め、21年3月期の営業利益率は07年3月期と比べて6・4ポイント増の11・8%にまで高めた。競合であるノーリツの2・6%(20年12月期)、パロマ(名古屋市瑞穂区)の13・6%(20年12月期)などと比較しても業界内で高い水準と言える。

稼ぐ力を着実に向上させ、利益を蓄積することで21年3月期の現預金は07年3月期比約8倍の1864億円、売上高の約6カ月分に相当する額まで増やした。一方、ノーリツは約2カ月分の308億円(20年12月期)だ。自己資本比率も約70%を保っており、東海東京調査センターの細井克己シニアアナリストは「安定した財務体質だ」と評価した上で、「給湯器やコンロに次ぐ成長につなげられる差別化商品を市場に出すことが重要」と指摘する。

新技術の開発余地が乏しくなった上、人口減少が重なることで主力の国内ガス機器市場は横ばいか縮小が見込まれている。リンナイは26年3月期までの5カ年の中期経営計画で、過去5年間と比較して約2・7倍となる2050億円の投資を計画。現預金や有価証券保有額の水準を足元に比べ3割減の1800億円に引き下げ、好業績から得られた利益を水素燃焼機器やヒートポンプ技術の研究など、次の成長に向けた投資に重点的に充てていく。

その上でROICを導入し「リターンが出るように投資効果を上げる」(内藤社長)狙いだ。22年3月期のROICの計画値は約17%だが、26年3月期までに2ポイント増の約19%に引き上げる。

「借金はしない」(同)という方針を維持しつつ積極投資をし、革新的で差別化できる商品を市場投入できるのか。「技術のリンナイ」(細井アナリスト)と呼ばれる同社にとっても正念場を迎えている。

日刊工業新聞2021年8月5日

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財務分析 リンナイ

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