AIで漫画を自動翻訳、作業時間3割削減
大日本印刷は8日、人工知能(AI)翻訳サービスを展開するMantra(マントラ、東京都港区)と共同で漫画のAI翻訳システムを開発したと発表した。漫画の翻訳はこれまで翻訳者が全て手作業で行っていたが、今回開発した機能により、あらかじめ自動翻訳された文章が入力された状態から、翻訳の確認や修正を行う運用が可能となった。2021年度中の実用化を目指す。
開発したのは、漫画を多言語で制作するシステム「DNPマンガオンラインエディトリアルシステム MOES(モエス)」に搭載する、独自のAI翻訳エンジン。翻訳会社による評価テストでは、AI翻訳の導入により翻訳に関する作業時間は、翻訳が難しいとされるジャンルにおいても、従来比30%以上削減できたという。
ウェブサイトやアプリケーション(応用ソフト)で漫画を楽しむ読者が世界規模で増えている。ただ、漫画の翻訳は、話し言葉が多く吹き出しごとに文章が途切れるためAI翻訳が難しく、人手で制作するコストと負荷が大きい。多くの出版社は海外の読者の開拓を進める一方でコストや負荷の面から翻訳タイトル数を抑えていた。