CO2削減価値「クレジット」を120社で取引、デジタルグリッドが実証へ
企業の購買分析、活用促す
デジタルグリッド(東京都千代田区、豊田祐介社長)は、120社以上が参加して二酸化炭素(CO2)排出量を削減した成果である「クレジット」を取引する実証事業を始める。環境省の事業委託を受けて9月末から実施し、参加企業の購買行動を分析する。同省は実証で得た知見をクレジット取引の活性化に生かす。同社も再生可能エネルギー電気などの取引に反映し、企業の脱炭素化を後押しする。
実証では国が運営する「J―クレジット制度」が管理するクレジットを取引する。再生可能エネルギーの活用や省エネ設備の導入、森林整備で創出したクレジットを用意する。実証への参加企業は購入したクレジットを自社の削減実績に加えて報告できる。
実証は3回を予定する。初回は9月27日から5日間で、参加企業はパソコンでクレジットを購入できる。2回目は11月、3回目は2022年1月を予定。各回で取引形態を調整し、クレジットの購入実態を分析する。
また、規模や業種による購入の違いも分析する。デジタルグリッドは参加者を募集しており、現状で120社以上から申し込みがあった。
脱炭素社会の実現が潮流となり、クレジットのようなCO2削減価値の取引が注目されている。一方、J―クレジットは累計920万トンが創出されたが、活用は6割弱にとどまる。CO2削減価値の取引を脱炭素の手段とするため、取引の活性化が課題となっている。
デジタルグリッドは企業と発電事業者が電気を取引するプラットフォーム(基盤)を運営しており、ソニーグループやアサヒグループホールディングスなどが再生エネ電気の調達に利用している。また、デジタルグリッドには京セラや東芝、東京ガスなどが出資している。
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