モーター磁石からレアアースを98%回収!日産と早大が開発した技術がスゴイ
日産自動車と早稲田大学は、電動車用のモーター磁石からレアアース(希土類)化合物を効率的に回収するリサイクル技術を開発した。モーターに使用されたレアアースの98%を回収できる。モーターを手作業で解体して磁石を取り出す工程が不要になり、従来と比べ作業時間やコストを50%削減できる。こうした技術は世界初という。実証実験も開始し、2020年代半ばの実用化を目指す。
リサイクル工程(写真)はモーターから取り外したローターを溶融炉に入れ、銑鉄や加炭材を加えて1400度C以上に加熱。酸化鉄や融解温度を下げるナトリウムホウ酸塩を添加し、希土類を含んだ酸化物層を分離して回収する。
両者はローターを50―60個処理できる大型炉設備を構築し、実用化に向け実証実験を始めた。日産は同技術は他社のモーターのリサイクルも可能と予想。30年に日本で約100万台の電動車が廃車され、1万8000トンのローターが対象になると試算している。
日刊工業新聞2021年9月6日