「データは生命線」でも活用進まず。米デルの調査が浮き彫りにした企業DXの実態
企業におけるデータ利活用の認識と実態でパラドックス(逆説)が明らかに―。米デル・テクノロジーズが世界45カ国4000人(日本は200人)のデータ戦略・デジタル変革(DX)担当者を対象に行った調査によると、日本を含む世界の企業はより多くのデータを必要とする一方で、保有しているデータの取り扱いと価値を引き出すことに苦慮している実情が浮き彫りとなった。
この調査ではデータに対する企業の準備状況について「優良企業」「チーム作りに注力している企業」「技術とプロセスに注力している企業」「未着手の企業」の四つに分類して評価した。
これによると、世界の企業の3分の2に相当する66%(日本は65%)が「自社にとってデータは生命線である」と認識していることが分かった。一方で、そうした認識があるものの、データを資本として取り扱い、データの活用を全社規模で優先している企業はわずか21%(日本は25%)に留まった。
また、世界の企業の70%(日本は66%)が、データの分析や利用のスピードよりも、データ収集のスピードの方が速いと回答。世界の67%の企業(日本は73%)がもっと多くのデータを必要だとしている一方、現在のデータ量は処理できる範囲を超えていると回答した企業は61%(日本は72%)に上った。
多くの企業が、現在苦戦している一方で、より良い今後に向けたプランを持っていることも分かった。今後1―3年の間に、世界の66%(日本は75%)が異常データの検出を自動化するために機械学習を導入すると回答。世界の57%(日本は59%)が「データ・アズ・ア・サービス」(データのサービス提供)型モデルに移行し、世界の52%(日本は45%)がパフォーマンスを精査してデータの処理および活用法を見直すと回答した。
この調査は米デル・テクノロジーズの委託を受けて米フォレスター・コンサルティングが5月に実施した。回答数は、データやデータ戦略に対する責任を有するディレクター以上の意思決定者4036人。