スズキが4輪車生産を2割減。半導体不足が足かせに
スズキが半導体不足により9月の国内4輪車生産を期初計画の約9万3000台程度から約2割減となる約7万7000台程度に減らすことが分かった。部品メーカーなどへ通達した。7月時点ではこれまで休止した分を挽回するため、期初計画より生産を増やす予定だったが、事態の改善が想定より遅れている。
小型車「スイフト」などを生産する相良工場(静岡県牧之原市)、軽自動車「スペーシア」などを生産する湖西工場(同湖西市)を対象に計画を引き下げたと見られる。相良工場は9月1−3日の3日間稼働を停止する予定だ。
減産に合わせ部品メーカーに数カ月単位で半導体の在庫確保を要請した。直近まで半導体の在庫積み増しを求めることはなかったという。仮に生産台数が契約時より減る場合でも、スズキが半導体を引き取って備蓄するなど長期契約で安定調達を図る。売れ筋生産車種の減産リスクも抑えるため、複数車種で使えるように半導体設計の汎用化を検討する。
スズキはこのほど鈴木俊宏社長をトップとする半導体緊急対策会議を設置した。半導体の契約期間の長期化や在庫状況の可視化、部品メーカーへの在庫確保協力要請などに取り組んでいる。
半導体不足による4輪車世界生産への影響は2021年度通期で35万台減と見込む。上期で食い止める意向だったが、長期化している。
日刊工業新聞2021年8月31日