スズキが解明したまぶしさを感じる脳の過程。研究成果を何に生かす?
静岡大学や上武大学と共同研究
スズキは静岡大学、上武大学と共同で、まぶしさを感じる脳活動の過程を解明した。右後頭側頭部、左後頭側頭部、前頭前部の順に神経応答を観測し、まぶしさを感じる脳活動部位、活動時間帯を特定した。強い光刺激によって生じる視認能力低下や、不快感を伴う視覚体験「グレア」での脳活動を観測した。研究成果は、まぶしさを感じにくい自動車メーターの開発など、快適で安全な運転環境の創出に役立てる。
防音電磁シールドルーム内の実験参加者に光刺激を与え、50%の割合でまぶしいと判断する輝度を基準に脳波計測した。
自動車用メーターには液晶などの常時発光物が使われ、まぶしさを感じるドライバーがいる。グレアが交通事故の原因になる場合もある。従来、工学的評価法によるグレア対策では、光刺激の物理的要因が考慮され、主観体験を生み出す脳の神経活動は除外されていた。
今回の研究成果によりグレア対策で、物理的要因と個人差の両面でのアプローチが可能になる。
日刊工業新聞2021年8月17日