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ドローン・空飛ぶクルマが舞う空のルールづくり、経産省が開始へ

経済産業省は飛行ロボット(ドローン)や空飛ぶクルマなど多数の飛行体が同じ空域で運航する際のルールづくりを2022年度から開始する。今後さらなる用途の広がりが予想される中、国際標準化を視野に展開し、社会実装に向けた動きを加速する。22年度予算の概算要求に数十億円規模で盛り込む。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて民間企業への委託・補助の形で26年度までの5年間の計画で展開する。ドローンと空飛ぶクルマが同時に飛ぶケースや1人で複数のドローンを操縦する事例などに生じるリスクを検証。運行管理体制、衝突回避などの技術開発、性能評価基準の策定などを進める。

ドローンと空飛ぶクルマによる同時飛行を想定した運行管理体制の構築も進める。接近時のそれぞれの機体への影響や、異なる通信技術による位置の把握など共通管理の確立に向けた方法を検証する。双方に対応した性能評価基準も策定し、空域の共有やすみ分けのあり方を探る。

技術開発や評価基準などの成果を基に、国際標準化の活動につなげる。各国で開発競争が加速し、主導権争いが繰り広げられる中で日本発の規格の普及によって市場でのシェア獲得を狙う。

ドローンをめぐっては22年度にも有人地帯での目視外飛行(レベル4)が解禁され、今後さらなる用途の広がりが予想される。空飛ぶクルマについても、政府は23年度をめどに機体の性能や安全基準などに関する方針をまとめて実用化を目指す計画を立てている。異なる飛行体が共存する環境を念頭に、「空の産業革命」の実現に向けた制度整備を急ぐ。

日刊工業新聞2021年8月27日

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