CFRP部品を大量生産できる!プレス成形金型用合金が商用化へ

新報国製鉄が開発

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精緻な成分調整や熱処理の制御で高温域の熱膨張特性を高めた(三重工場の熱処理工程)

新報国製鉄は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品を大量生産できるプレス成形金型用合金を開発した。既存の低熱膨張合金を成形温度や強度などさまざまな製造条件に合わせて提供する。航空機や飛行ロボット(ドローン)用に小型・複雑形状のCFRP部品をプレス成形で量産できるようになり、大幅なコスト削減に貢献できる。早ければ2025年頃の商用化を目指す。

室温でほぼゼロ膨張を達成した高剛性インバー合金をベースに、添加材の精緻な成分調整や熱処理の条件制御などで熱膨張特性を最適化した。「熱可塑性のCFRP成形には200度C以上の高温が必要。より高強度の樹脂では400度C程度まで上がるだろう」(藤井啓道研究開発部研究課主幹)として、200度―400度Cの高温域で膨張量を従来材に比べ最大10分の1以下に低減した。

同時にプレス成形の強い衝撃に耐えられる耐力も一般の鋳鋼の2倍以上に高めた。この結果、高熱でも金型の形が変化せず、プレスの回数を重ねても劣化しないため、複雑形状の部品を高精度で大量生産できる。航空機やドローンのほか「人が乗る“空飛ぶクルマ”のプロジェクトにも参画し商業化に貢献したい」(同)考え。

現段階ではCFRPのプレス成形温度がまだ定まっていないとして、顧客の製造条件に合わせた幅広い温度帯のメニューを準備する。主力のインバー合金だけでなく、コバルトも配合したコバール合金も加え広範に品ぞろえする。

現在、CFRPの成形はシート状の中間製品を真空容器内で加圧・加熱して熱硬化させる「オートクレーブ成形」が主流。プレス成形に比べると少量生産にとどまり、大型で単純形状の部品しか製造できないという。

日刊工業新聞2021年8月13日

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