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世界トップ級の分類性能を達成。東芝など開発した「スケーラブルAI」とは?

東芝と理化学研究所(理研)は、学習済みの人工知能(AI)の性能をできるだけ落とさず演算量が異なるさまざまなシステムに展開できる学習方法であるスケーラブルAIを開発した。画像からの被写体分類に同技術を用いたところ、演算量を4分の1にした場合でも平均分類精度の低下を従来比1・8ポイント改善の2・1%に抑制。世界トップ級の分類性能を達成したという。

AIエンジンは通常、適用するシステムやサービスに応じてAIのモデルサイズなどを担当者が試行錯誤しながら設計・開発する。

今回開発した新技術の導入により、例えば、大規模で高性能な人物検出AIを一度学習すれば、スマートフォンや監視カメラ、無人搬送車といった適用環境ごとの試行錯誤が不要になる。異なる適用先に対し、AIエンジンを共通化することも可能。AIエンジンの開発に必要なリードタイムの削減や管理の効率化が見込める。

同技術は、革新的な次世代AI基盤技術の研究開発成果の実用化を加速するため、2017年4月に設立した「理研AIP―東芝連携センター」の成果。東芝と理研は同技術の詳細を26日まで開催中の国際会議「IJCAI2021」で発表する。

日刊工業新聞2021年8月20日

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