日産が今年度に計画する「世界生産450万台」の実現度

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業績回復は10月以降の生産挽回にかかっている(栃木工場=栃木県上三川町)

日産自動車が2021年度に世界で約450万台の自動車生産を計画し、主要部品メーカーに提示したことが分かった。公表している生産実績値と集計方法が異なるため単純比較できないが、コロナ禍で落ち込んだ前年度の生産実績と比べ約20%増の水準となる見通し。半導体の供給不足で21年度計画には約25万台の減産影響を見込むが、現行計画ではこうした影響を既に織り込んでいるとみられる。10月以降に計画通り生産を挽回し、どこまで上積みできるかが、業績回復の行方を左右しそうだ。

日産は5月の決算説明会で新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などにより、21年度に約50万台の減産影響が出ると予想。そのうち半分程度を下期以降の生産挽回で補い、年度を通して約25万台の減産にとどめたいとしていた。

主要部品メーカーに示した21年度の生産計画によると4―6月期は約80万台(前年同期の実績と比べ約40%増)、7―9月期は約115万台(同約20%増)、10―12月期は約135万台(同約15%増)、22年1―3月期は約120万台(同約15%増)の生産を見込む。コロナ禍前の19年度の生産実績は458万台だった。

グローバル販売では各地で相次ぎ投入した新型車効果が期待される。欧州では6月にスポーツ多目的車(SUV)「キャシュカイ」を、日本では20年12月に小型車「ノート」を、北米では20年10月にSUV「ローグ」をそれぞれ発売。中国では7月末までにSUV「エクストレイル」を投入する。

日産は半導体不足や原材料価格の高騰といったビジネスリスクの影響などで21年度の当期損益を600億円の赤字と予想している。ただ、4―5月の実績は計画を上回っていることから、内田誠社長は6月の株主総会で21年度業績について「3年連続の当期赤字を何としても回避したい」と述べている。

野村証券は15日付のリポートでルネサスエレクトロニクスは那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産回復などにより「自動車用半導体の供給が足元で既に火災前の水準を上回っているとみる」と指摘。半導体影響が軽微なトヨタ自動車以外の日系車各社も「遅くとも9月からは通常ペースでの生産が可能」との見方を示している。

日刊工業新聞2021年7月27日

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