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車内に置き去りになった子供を検知する新システムの仕組み

FCEが2021年末に完成へ
車内に置き去りになった子供を検知する新システムの仕組み

FCEはセンサー技術などを活用し車室の快適性や安全性の向上に取り組む(同社による未来の車室イメージ)

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス(FCE)は、車内に残された子どもを検知するシステムを開発する。2021年末の完成を見込む。運転手や同乗者が車内に不在の際、レーダーセンサーなどを用い、子どもの動きや呼吸などのバイタルサインを捉えて警報を出し、事故を防ぐ。欧州の安全性能総合評価「ユーロNCAP」は、子どもの車内置き去り検知システムを22年に評価項目に加える。こうした点も踏まえ、FCEは特に海外で同システムの需要が高まると見込む。

FCEは、車内を快適な温度に保つため、シートなどに取り付けたセンサーを用いて運転手の体温などを監視するなどの技術を既に開発している。子どもの置き去り検知でも、その知見を生かす。

車内への子どもの置き去りは、熱中症や連れ去りのリスクがあり社会問題になっている。米国の一部の州では法的に罰せられる。ユーロNCAPが検知システムの搭載を安全評価項目に加えることもあり、自動車関連メーカーが技術開発を進めている。仏ヴァレオは、子どもの呼吸をレーダーで検知するシステムを開発。運転手のスマートフォンに警告するといった活用が可能。

FCEはコックピット関連技術、ディスプレー技術、先進運転支援システム(ADAS)が事業の柱。ADASでは、車載カメラで得たデータを俯瞰(ふかん)画像として車内モニターに表示する「サラウンドビューシステム」や、自動駐車の技術開発に取り組んでいる。さらに車室の快適性や安全性の向上に貢献する製品開発を進める。

日刊工業新聞2021年7月6日

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