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東大発スタートアップが米国で発売する「空飛ぶクルマ」の全貌

東大発スタートアップが米国で発売する「空飛ぶクルマ」の全貌

従来型の「teTra Mk―3」。新製品Mk―5はデザイン・仕様ともに大きく変わる見込み

時速160km、1時間飛行

テトラ・アビエーション(東京都文京区、中井佑社長)は、7月末にも空飛ぶクルマの最新機「teTra Mk―5」の予約販売を米国で始める。2022年度中の納品を見込む。同月21日から米ウィスコンシン州オシュコシュで開幕する展示会「EAA・エアベンチャー・オシュコシュ 2021」でMk―5を発表する。

同社は東京大学発のスタートアップで、空飛ぶクルマに分類される電動垂直離着陸型航空機(eVTOL)の開発を進めている。Mk―5は荷重90キログラムで航続時間1時間、速度は時速160キロメートル、価格は約4000万円。

従来型の機種は米ボーイングが後援する個人用航空機開発の国際コンペ「GoFly(ゴーフライ)」が求める基準に沿った仕様のため、小型で飛行時間・距離ともに短く、速度も遅かった。Mk―5は実用性を重視してデザインを大きく変更する。

操縦には自家用航空機のライセンスが必要だが、米国ではライセンス保有者が20万人いるため市場性は高いという。

製品を発表する展示会は米EAA(実験航空機協会)主催で、軽飛行機やヘリコプターなどの新製品発表の場となっている。

テトラ・アビエーションは20年2月に日本企業で初めて米国での試験飛行許可を取得。同年に米国の「ゴーフライ」では破壊的イノベーターに与えられるプラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞を受賞した。

日刊工業新聞2021年6月24日

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