ロボットを舌で操縦!?東京電機大が開発した入力デバイスの仕組み
東京電機大学の伊東明俊教授と吉田直煕大学院生らの研究グループは、体に装着するロボットなどを舌で操縦するための入力デバイスを開発した。操作ボタンを口腔(こうくう)の上側に配置。舌先で操作するよりも操作性が向上し、舌が疲れにくくなった。半身不随となった人向けの入力インターフェースやロボット義手の操作、健常者向け装着型アームの操作などの用途に提案する。
入力デバイスはフォトリフレクターをシリコンゴム膜で覆う構造。舌で押してゴム膜が変形するとフォトリフレクターの光の反射具合が変わる。これで前後左右クリックなどを判定する。マウスピースに固定し、口腔内で安定するようにした。
マウスの代わりに提示される円の中にカーソルを動かしてクリックする試験を行った。円柱型のゴム膜にぼつぼつとした滑り止めを付けたものが高い操作性を示し、試験では50点満点中で10回のテスト平均点が45・9点だった。簡単に手に入る部品で構成しているため、技術移転は容易だという。
ロボット義手など機械の腕を装着する際に入力する方法が問題となっている。手の開閉や肘の折り曲げ程度ならば筋電で可能だが、細かな操作が難しかった。舌は足よりも感覚や運動能力が高く、細かい操作に向く。
日刊工業新聞2021年6月23日