VRで顔を触られた感覚が体験できる!電通大が吸盤式触覚システム開発
電気通信大学の亀岡嵩幸大学院生と梶本裕之教授らの研究グループは、顔を触られたような感覚が体験できる吸盤式触覚システムを開発した。吸盤の吸引径と吸引強度で触覚や圧覚を制御する。ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)に搭載することで、「顔に触れる」「風を感じる」といった仮想現実(VR)での演出ができると期待される。
HMDに直径2ミリ―12ミリメートルまでの吸盤を貼り付けてポンプで顔の皮膚を吸引して感覚を検証した。人間の皮膚は吸引を圧覚と錯覚することがある。吸盤径や吸引強度を検証すると、吸引径が小さく密集するほど触覚の強度が大きくなり、吸引強度が弱くなるほど圧覚として感じる傾向がみられた。
この錯覚を応用することで、触覚や圧覚といった皮膚感覚を体験することができる。今回の研究で小さな吸盤を多数配置したデバイスが触覚演出に向くことが分かった。
VRの環境で指先に感覚提示されていた信号を顔に提示できる。操縦インターフェースを操作した際に触覚を提示し、ボタン入力されたことをフィードバックしたり、VRの体験中で顔に触られたり、風を感じるといった演出に向くと考えられる。また、吸引式はHMDがズレないため、装着感を損ないにくいという。
日刊工業新聞2021年6月21日