ビヨンド5Gへ、電通大が電波混線せず通信できるアルゴリズム開発 

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電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センターの石橋功至教授と安藤研吾大学院生ら研究グループは通信電波が極めて混線する環境でも混線させずに最大限通信できるアルゴリズムを開発した。第5世代通信(5G)の次の世代「ビヨンド5G」(6G)に挙げられるセルフリーMIMOシステムで、多数の送受信アンテナを使う通信で利用する。周波数利用率は従来手法の7倍。特許出願を終え、企業などとビヨンド5Gへの標準化を目指す。

セルフリーMIMOシステムでは電波が干渉し合うほど密にアンテナを配置する。複数のアンテナが光ファイバーでつながり中央制御局で制御される。スマートフォンや自動運転車両、ロボットなどのアンテナに向かって最適なアンテナから他の通信と干渉しないように信号が送られる。この干渉しない条件を行列計算で解く。

スマホやロボなどさまざまな端末を結ぶため、計算ではサイズが違う複数の行列を扱うことになる。そこで多線形一般化特異値分解という計算法で行列を分解する。この特異値分解を高速通信に適した手法に改良した。

シミュレーションで検証すると、計算負荷を下げつつも周波数利用率を従来法に比べ最大で約7倍に増強できた。

公平性を優先し、通信速度が最も遅いユーザーの通信速度を最大化する場合も従来法より優れていた。

ビヨンド5Gをめぐっては情報通信研究機構などで研究が進む。5Gで中国が躍進し、日本が標準化に食い込むためには産学官で巻き返す必要がある。

日刊工業新聞2021年4月26日

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電気通信

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