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眼鏡の鯖江に「モノづくり学校」、金型製造を手がける中小企業が設立を決めた理由

眼鏡の鯖江に「モノづくり学校」、金型製造を手がける中小企業が設立を決めた理由

「デザインラボ・フクイ」(福井県鯖江市)の外観

【東大阪】テクノグローバル(大阪府八尾市、高田弘之社長)は、モノづくりの技術を伝え人材を育てる「モノづくり学校」を2026年をめどに福井県鯖江市に設立する。鯖江市や周辺に住む若手や定年後のシニアらを対象に実技と座学を教え、地域の活性化に貢献する。モノづくりの担い手を増やし、起業が盛んになる好循環を生み出して、地域活性化につなげるには教える場の設立が必要と判断した。

金型製造や樹脂成形加工を手がける同社が18年に鯖江市に開設した「デザインラボ・フクイ」を拠点にする。当初は数人を対象に半年―1年間、週1回程度教える。現在、60代と70代の2人のベテラン社員が座学を担当し、モノづくりに取り組む姿勢や体験談などを伝える。実技は他の社員も加わり指導する。3次元(3D)CADや3Dプリンターなどを活用し、学校で習ったことを応用した実践的な教育を目指す。

基盤が整い次第、活動の幅を広げる。学生を20―30人程度に増やすほか、子どもが幼い頃からモノづくりに触れる機会を設ける。伝統産業や企業の関係者らに講師を依頼するなど、地域を巻き込んだ取り組みを目指す。将来は同社と別組織にすることも検討。モノづくり学校で育った人材が後年、講師を務めるといった長年続く体制を築きたい考えだ。

鯖江市はメガネフレームのほか漆器や繊維の産地として知られる。高田社長は「モノづくり学校がきっかけとなり、鯖江市がモノづくりのまちとしてさらに発展していけばいい」と話す。

日刊工業新聞2021年6月18日

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