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静電気で花粉を99%カットするブラインドが面白い

園田製作所(大阪市平野区、園田博美社長)や近畿大学などは、窓を開けることで大気中の粒子状物質(PM)2・5や花粉、昆虫侵入などの被害を抑制する「静電ブラインド=写真」を共同開発した。園田製作所が試験販売を始めた。学校や公共施設などへの設置を見込む。価格はサイズにより異なるため、個別対応する。今後は市場調査や実装の課題改善などを行い、汎用製品としての製品化を目指す。

同ブラインドは窓枠に設置。銅線の周りを特殊な絶縁体で覆い、電圧を与え静電場を発生させ、強力な静電気で花粉や昆虫を捕捉する。人が触れても静電気で痛みを感じることはないという。すでに近大東大阪キャンパスの一部教室に設置し、花粉を99%程度カットする効果を確認した。

同ブラインドの開発は「“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環。近大薬学総合研究所がデザインや稼働を検証。同大農学部が絶縁体の電気特性や捕捉能力を調査。園田製作所が製造販売、トワロン(堺市西区)が絶縁体の素材提供、アース環境サービス(東京都千代田区)が生活空間における害虫の提供や調査、大阪府立環境農林水産総合研究所が実用化を支援する。

日刊工業新聞2021年5月24日

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