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キユーピーが開発。賞味期限を長くする「弱レトルト製法」がスゴイ

キユーピーが開発。賞味期限を長くする「弱レトルト製法」がスゴイ

冷圧フレッシュ製法デモ機

キユーピーはレトルトパウチ食品を低温加熱殺菌し、素材の色や食感を保ちながら、賞味期限を長くする「弱レトルト製法」を開発した。業務用の商品開発で培った技術に、前後の工程を組み合わせることで独自の製法にし、特許を出願。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外食向けの業務用需要が落ち込む中、家庭用商品に技術を転用し、収益性を高める。

キユーピーが開発した弱レトルト製法は、通常のレトルト殺菌の温度帯である120度Cに比べ、低温の100度―105度Cで殺菌することで、素材の色や味、食感を保つことができる。ただ、低温殺菌は殺菌力が落ち、賞味期限も短くなる。このため、具材に味を染みこませる工程や、冷凍で輸送し、解凍してから店頭に並べる仕組みにすることで課題を解決した。

キユーピーは同製法を4月に発売した「わたしのお惣菜シリーズ」の「キーマカレー」「ラタトゥーユ」「鶏肉と根菜の黒酢あんかけ」の3商品に活用。3商品はいずれも、具材が大きく、しっかり食感があり、賞味期限は30日間と長いのが特徴だ。ホテル向けなどに業務用商品で活用していた技術が基盤になっている。

キユーピーは業務用の技術を家庭用に転用するフレッシュストック事業を展開しており、わたしのお惣菜シリーズは同事業で開発した。同事業ではこのほか、レトルトパックを低温で超高圧処理する「冷圧フレッシュ製法」をサラダ総菜に導入。同製法は神戸製鋼の食品用高圧処理装置を活用し、従来の加熱殺菌に比べ、素材本来の食感や色味を残して味わいを維持しながら、菌を不活性化し、賞味期限を長くできる。

キユーピーでは市場の変化に合わせ、業務用の商品開発で培った技術や新技術を家庭用商品に導入することで、安全性を担保しながら、味や食感を高め、賞味期限を長くする商品の開発を強化する。

日刊工業新聞2021年5月21日

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