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2030年の「電源構成」は再エネと原発で6割程度に、経産省が脱炭素化加速へ検討

次期エネルギー基本計画の根幹となる2030年度の電源構成をめぐり、太陽光などの再生可能エネルギーと原発を合わせた「脱炭素電源」の比率を6割程度に上積みする方向で経済産業省が検討に入ったことが分かった。菅義偉首相が30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で46%削減する新たな目標を打ち出したことを踏まえ、再エネに力を入れて電源の脱炭素化を加速させる。

18年に策定した現行計画では、30年度の電源構成目標を火力56%、再エネ22―24%、原発20―22%としていた。新たな計画では再エネを3割台後半に引き上げる一方、原発は引き続き2割程度とし、運転時に二酸化炭素(CO2)を排出する火力は4割程度に縮小する方向だ。これに対し、19年度実績は再エネ約18%、原発は約6%にとどまり、7割超を火力で賄っている。

政府は基本計画の今夏改定を目指しており、再エネ拡大を目指す自民党の議員連盟(会長=柴山昌彦前文部科学相)は、再エネ比率を45%以上に高めるよう求める提言をまとめた。

日刊工業新聞2021年5月17日

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