自動車部品に使うマグネシウム合金でアウトドア用品、東海理化が新分野開拓へ
東海理化が自動車以外の新分野開拓を積極化している。自動車部品に使うマグネシウム合金を活用したアウトドア用品や、磁気センサー関連商品などで新たな需要を探る。展示会で試作品などを紹介した。自動車業界の変化に対応する狙いもあり、今後も新規事業の取り組みを加速する方針だ。(名古屋・山岸渉)
7―9日、名古屋市内で開催した展示会「名古屋・機械要素技術展」。自動車部品メーカーである東海理化の出展ブースは目新しさもあってか、多くの来場客でにぎわいを見せた。展示製品の説明はキャッチコピーの工夫やイラストの多用などでわかりやすさを強調した。「自動車以外にもどんなチャンスがあるのか。どんなニーズがあるのかを教えてもらう場になる」。二之夕裕美社長はこう実感する。
東海理化は新規事業を探る動きを活発化する。1月に「ニュービジネスマーケティング部」を新設。スマートフォンでカギを開閉できるデジタルキーなど、新分野への取り組みを積極化する。
今回、出展したのもその一環で、靴べらや鍋などの日用品やアウトドア用品、医療・福祉関連としてつえに取り付ける補助具などを紹介した。これら試作品には、自動車のハンドルの芯金やパドルシフトスイッチの構成部品に使われるマグネシウムダイカストを活用した。「軽くて強い」(二之夕社長)のが特徴だという。
磁気センサー関連では家電やロボットアーム向けに応用できないか需要を探った。二之夕社長は「できる限り顧客と接する場を作りたい」と語る。東海理化は今後もさまざまなイベントに出展するなどしてニーズを探り事業化を目指す。
二之夕社長は「自動車メーカーの生産台数が増え、それに追いつくことに必死だった。これまで自動車部品以外の商売のやり方を知らなかった」と振り返る。今、自動車業界は変革期を迎え、大手IT企業など競争相手が変わる。「自動車以外にも取り組まないと自動車に対し良い仕事ができない。引き出しを広げないといけない」(同)と気を引き締める。自動車事業を伸ばすためにも新規事業の取り組みの重要度が増している。