エアバッグ需要の伸びを見込む豊田合成、東海理化と連携はどうなる?

豊田合成・小山享社長インタビュー

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豊田合成・小山享社長

エアバッグ生産能力増強

―安全規制強化でエアバッグ需要が伸びる見通しです。

「供給能力をしっかり確保する。ベトナムやインドネシアで工場を立ち上げたほか、メキシコの部品工場も拡大した。生産能力は2023年度までに18年度比で1・6倍になる見通しだ。同時に労務費上昇や新型コロナウイルス感染防止対策の観点から、自動化などによる効率向上が必要。生産面は検査工程での人工知能(AI)やITの活用がかなり進んでいるが、設計などでも筋肉質にしていく。環境対応や電動化など新分野への投資の原資を、既存事業でしっかり稼ぐ」

―トヨタ自動車系の東海理化との連携状況は。

「車の特性に合わせたシートベルトやエアバッグの組み合わせの最適化ニーズがあり、連携して提案型の性能開発を強化する」

―トヨタグループ内で事業再編が進む中、事業統合などについての考えは。

「M&A(合併・買収)や他社への投資をするとしても、互いの技術を融合して新たな付加価値を生むなど相乗効果がなければ意味はない。自動車産業の変革の中、協業は今まで以上に大事だが、やる意味を考えないといけない」

―19年に創設したコーポレートベンチャーキャピタルの状況は。

「2年ごとに30億円の予算で投資していく。それなりに面白い所にアクセスできているが、投資の方向を事業育成に変えていくことも必要だ。例えば出資先で言えば、3Dプリンター企業の装置を自社工場に入れて治具製作に活用したり、AIベンチャーの技術を外観検査に使うなど、事業化の芽は出始めている。この先1―2年で少しずつ利益貢献できるのではないか」

―コロナ禍では供給網の分断リスクが起きました。

「グローバルのリスクヘッジをしっかり行うことと、できる限りの地産地消が課題だ。これまでは本社がグローバル管理をしていたが、現地が主導的に動かないと対応できない。世界規模での自立化が今まで以上に大切だ。生産立ち上げの遠隔支援など、現在進めている生産面のIT化を加速しつつ、自立化した人材を育成したい」

記者の目/原価低減・付加価値向上カギ

昨年度、事業整理に伴う損失を計上したこともあり、20年度の業績予想は増益の見通し。深紫外線LEDなど新規事業も徐々に形になってきた。一方で内外装部品は価格競争に陥りやすい。コロナ禍で加速した原価低減活動の徹底に加え、素材を扱う独自の強みを生かした製品のさらなる付加価値向上が重要になる。(名古屋・政年佐貴恵)

日刊工業新聞2021年1月27日

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