リサイクル品を超極細ポリエステルナノファイバーに。帝人フロンティアが世界初の量産化
帝人フロンティア(大阪市北区、平田恭成社長)は、リサイクル原料を用いた、超極細ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の量産化技術を開発した。同社によると、リサイクル品を使った長繊維による超極細ポリエステルナノファイバーの量産化は世界初という。リサイクル素材を求める需要が高まっており2025年をめどに「ナノフロント」を石油由来の従来品から置き換える計画だ。
「ナノフロント」は、吸水性やグリップ力などの高い機能性と、ソフトな風合いや肌への低刺激性などの優れた快適性を併せ持つ。衣料や産業資材用途などで需要が広がっている。ただ、直径700ナノメートル(ナノは10億分の1)と超極細繊維のため、耐久面や品質面でリサイクル品にて作るのが難しかった。
今回、糸にする工程においてポリマーコントロールと紡糸技術を新たに開発でき、従来品と同等の機能と品質を持たせた。
原糸や生地としてスポーツ衣料や産業資材などで展開し、21年度(22年3月期)3億円、25年度8億円の売り上げを目指す。
日刊工業新聞2021年4月13日