3Dプリンターで模索する匠の技、自動車テールランプ向け金型冷却部品を製作
南信精機製作所が試験採用
【諏訪】南信精機製作所(長野県飯島町、片桐良晃社長)は、3Dプリンターの積極活用を視野に、同プリンターで製作した樹脂成形金型用の冷却部品を試験採用する。近く、自動車のテールランプなどに使うソケット部品の成形用金型などに用いて、冷却性能をはじめとする機能性を検証する。結果を踏まえて、早ければ5月にも正式採用に踏み切る考えだ。
このほど、近畿経済産業局が行ってきた3Dプリンターの導入検証や普及を目的とする「Kansai―3D実用化プロジェクト」に参画し、金型冷却部品の設計図を提供した。
同プロジェクトでは、複数機種の3Dプリンターを用いて、複数の加工会社が南信精機製作所向けの金型冷却部品を作製した。それらの部品を基に面粗度や、冷却フィンのアスペクト比などを検証したところ、「形状としてはおおむね問題がなかった」(片桐社長)。ただ、配管内の面粗度などに課題が見られたという。
同社では現在、内製化する樹脂成形金型用の冷却部品を切削加工で作製している。今回の3Dプリンター製冷却部品の本格検証を踏まえて、製造コストの削減効果や製品精度など、その長所・短所を見定める。その結果次第で、今後、3Dプリンターの導入活用も視野に入れる。
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日刊工業新聞2021年4月6日