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チタン加工を最大7割短縮!三菱電機の3Dプリンターがすごい

チタン加工を最大7割短縮!三菱電機の3Dプリンターがすごい

来年度中に製品化する予定のDED式3Dプリンター

三菱電機は指向性エネルギー堆積法(DED)式3Dプリンターを開発し、2021年度中に製品化する。レーザー照射部に金属ワイヤを直接供給して造形する方式で、レーザー加工機などで培ってきた技術を結集した装置だ。AMシステムプロジェクトグループの藤川周一マネージャーに特長などを聞いた。(編集委員・土井俊)

―材料にワイヤを採用した理由は。

「当社は3Dプリンターの世界で後発組となる。現在は粉末材料を使う装置が先行しているが、コストや管理面などで課題も見えてきている。ワイヤ式の採用により、材料の利用効率が高まり材料価格を削減できる。また、管理面や安全性で優位性があるほか、材料の飛散がなく、クリーンな造形が可能だ」

―他社製ワイヤ式装置との違いを教えて下さい。

「レーザーやワイヤ送り制御、数値制御(NC)といったすべての要素技術を自社開発している。特にレーザーと材料を動かす機械系の5軸とレーザー出力の同期制御、ワイヤ供給の微動と粗動の制御と、計8軸の制御が可能だ。それを実現するNC装置までを自社開発できているのは当社ならではだ」

―どういった用途を狙いますか。

「DED方式のメリットが発揮できるのは、チタンなどの硬い材料を切削加工して作る製品だ。3Dプリンターで完成品に近い状態まで加工(ニアネットシェイプ)し、切削加工で仕上げることで切削加工のみで作る場合と比べて加工時間を5―7割短縮でき、材料の無駄も省ける」

―欧米に比べて日本は3Dプリンターの活用が進んでいません。

「欧米は3Dプリンターで何が作れるか考える傾向がある一方、日本は従来工法を置き換える考え方から入っており、設計や品質への影響を懸念して踏ん切りがつかない。ただ、ニアネットシェイプはモノづくりとしては合理的なので、そのメリットが認知されていけば、確実に普及していくだろう」


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日刊工業新聞2021年3月18日

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