世界初、AIを活用した「SDGs技術企業ランキング」の仕組み
日本特許情報機構(Japio)は、独自の人工知能(AI)モデルを活用した「SDGs技術企業ランキング」を策定した。文献を読み込んで技術判断ができるように学習し、特許技術が国連の持続可能な開発目標(SDGs)のどの目標に該当するか「見える化」の浸透を図る。1日にも公表し、詳細なデータを月100文献まで有料で提供するサービスも始める。
Japioによると、特許情報とSDGsを連動した科学技術関連のランキングは世界初としている。特許庁の2020年の公開情報の文章を基にAIで推定し、SDGsの17のゴールのうち、科学技術関連に対応する8項目のいずれかに当てはまるか分類した。全体のうち、約55%が8項目のいずれかに該当することがわかった。
結果はSDGsの各項目ごとに年間および月間によるランキング形式で、Japioの知財AI研究センターのホームページで公表する。企業ごとにスコア化した棒グラフを示し、科学技術関連におけるSDGsと連動した動きを比較できる。
Japioは米グーグルのAI技術「BERT(バート、自然言語処理技術)」を活用し、SDGs関連技術の所有数による企業格付けの材料として提供できる指標の策定を進めていた。今回のランキング策定を足がかりに、企業規模にかかわらず企業活動とSDGsとの相関関係の可視化やESG(環境・社会・企業統治)投資などの判断指標などとして浸透を図る。
日刊工業新聞2021年4月1日