アサヒグループHD新社長の決意と自信「いい時期に経営のかじ取りができる」
勝木敦志社長「成長ステージが整った」
《2020年に豪ビール最大手カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)の買収を完了し、会社として区切りのタイミングでの社長就任となる》
「日本、欧州、豪州の3極が完成し、成長ステージが整った。これから成果に結びつけることができる。新型コロナウイルスの影響もあり、不確実性が高まっているが、ここがボトムだと捉えている。いい時期に経営のかじ取りができることにやりがいを感じる」
【略歴】かつき・あつし 84年(昭59)青山学院大経営卒、同年ニッカウヰスキー入社。02年アサヒビール(現アサヒGHD)に転じ、17年取締役、18年常務、20年専務。北海道出身。60歳。3月25日就任予定。
「20年までは買収した会社を個々に伸ばしていく施策だったが、いよいよグローバルでの相乗効果を追求するステージに入った。人材交流やサプライチェーンでの共同調達など、ベストプラクティスの共有を進めたい」
《国内のビール類市場は16年連続で縮小。新型コロナウイルスの収束の見通しも立たない中、厳しい経営環境にある》「業務用で強みがあり、収益源でもあるビールが直撃を受けた。だが、その中で課題も見えて、従来のやり方ではニューノーマルには対応できないことが分かった。飲食店にはケータリングなど価値を高める提案をしながら、家庭用へのシフトに対応する。欧州では家庭用へのシフトの中で単価が6―7%上がるなど、プレミアム化が加速している。日本も同様で、スーパードライを中心に、主力ブランドのプレミアム化に注力する」
《趣味はカラオケ。自分よりうまい人に会ったことがない、と言いきるほど、歌には自信がある》(高屋優理)
日刊工業新聞2021年3月23日