NTT東の「フレッツ光」、契約数が前期比45万増! 背景にテレワークの定着
NTT東日本は、光回線サービス「フレッツ光」の契約数が2021年3月期に前期比45万増の約1269万で着地する見通しを示した。期初予想は40万増としていたが、コロナ禍によるテレワーク需要の高まりで解約は減少傾向にある点が上振れに寄与する。一方で22年3月期の増加幅は40万と見込む。都心から転出する人が増えることなどに伴って解約も増加に転じる可能性を勘案した。今後は人口移動の動向の注視が求められそうだ。
NTT東は20年12月末時点で、フレッツ光の契約数が20年3月末比38万増の1262万だった。井上福造社長は21年3月期の純増数について「50万は行ってほしかったが、45万くらいだろう」と分析。この理由を「東京の入りが少ない。(20年度の)第3四半期(20年10―12月期)くらいからの傾向だが、東京を出ていくほうが多い。これが一過性のものなのか、恒常的になるのか、よく分からない」と述べた。
従来、引っ越しシーズンは東京への転入が転出と同等か大きくなるという。「コロナで異動が抑えられていたり、地方に転居したりするパターンがあるのかもしれない」(井上社長)。21年度の契約数を40万増と見込むのは、テレワーク需要が一巡する可能性も織り込んだためとした。
総務省の人口移動報告によると、東京都は20年7月以降、6カ月連続で転出超過となった。産業界では、テレワークの定着に伴う都心のオフィスの面積縮小や移転が相次ぐ。「通勤する必要性の低下により、都心から近隣県の郊外への住み替えの動きが起きている可能性も考えられる」(総務省統計局)。
日刊工業新聞2021年3月12日