東洋炭素が3年間で30億円、黒鉛生産の省エネルギー化推進
事業所全体で従来比2%強
東洋炭素は詫間事業所(香川県三豊市)の黒鉛生産で省エネルギー化を進める。2019年と20年分も含め、21年までの3年間で合計30億円を投資。エネルギー効率の高い新型炉を導入するほか、焼成炉で環境負荷の少ない燃料に変更。また、照明やコンプレッサーも更新する。同事業所全体で従来比2%強の省エネにつなげる。
東洋炭素が手がける等方性黒鉛はシリコンウエハー製造時のヒーターや、るつぼなどに使用される。ウエハーの大口径化が進み、等方性黒鉛もより大型の製品が求められ、同事業所でも大型黒鉛製品の生産に適した設備の増強を決めている。
この大型化投資に合わせて、エネルギー効率の向上を進める。焼成炉は6炉を更新。液体燃料から液化石油ガス(LPG)に変更し、将来的には液化天然ガス(LNG)に対応できる設計にした。これにより新型炉の燃料費は旧型炉に比べ半減する。すでに試運転を始めており、4月頃に本格稼働する予定。
黒鉛化炉は炉のサイズを見直して断熱性を上げ、エネルギー効率を高めた。同事業所で更新する黒鉛化炉は約10%。21年末に完成を目指し、本格稼働は22年3月以降となる。
日刊工業新聞2021年3月11日