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業務時間を1万4000時間削減!マレリのRPA成功事例に学ぶ

業務時間を1万4000時間削減!マレリのRPA成功事例に学ぶ

IT部門のRPA担当者が各事業部や部門へのRPA導入を支援

マレリ(さいたま市北区、ベダ・ボルゼニウス社長)は、各事業部や機能部門へのRPA(ソフトウエアロボットによる業務効率化)導入に力を入れている。2018年4月から働き方改革の一環でRPAを本社で取り入れた。IT部門のRPA専任チームが導入を支援する。現在、稼働するロボットは26体で、累計50体以上を構築してきた。合計で業務時間を1万4000時間削減した。

例えば部品の種類・番号などのデータベース更新や、研究開発で利用するシステムに複数回アクセスしたりする作業がある。そうしたシステムへのアクセスやダウンロードといった「ブラウザー操作」と、ダウンロードデータから検索条件を生成する「エクセルマクロ実行」を組み合わせてRPA化した。

工夫したのは作業時間帯だ。RPAを実施する間は常にシステムにアクセスした状態。トラフィック(データ量)が多い時間帯の作業は処理に遅延が出る。そこでタイマー機能によりシステム負荷が少ない時間帯に実施し遅延を回避した。これにより同社は「日中に人手で実施していた作業が、出社するとデータが作成できている状態となった」。年間約2200時間の効率化を実現した。

購買部門では部品情報の移管でRPAを活用する。グループ会社の自己調達部品を自社に生産移管する際に「約2万点の部品情報をマレリの購買システムにデータ移行する必要があった」(同社)。購買システムに部品の価格情報を入力し、マネージャーが承認するまでの工程をRPA化した。作業時間を同約2500時間削減し、移行期間も短縮できた。研究開発では完成車メーカーから送られるCADデータの受信作業でRPAを導入。作業時間を同約1000時間削減した。

今後も運用範囲の拡大を図る。「海外拠点を含め、RPAをはじめとしたオートメーション化を推進する」(同)方針だ。(日下宗大)

日刊工業新聞2020年3月10日

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