【動画あり】トヨタグループが提案する未来の車室空間、自動運転中にARでエンタメ満喫
トヨタと紡織が初の実証
トヨタ自動車とトヨタ紡織は12日、自動運転車を想定した次世代車室空間を披露した。臨場感のある映像による公園内の施設や遠隔地などへの移動体験や、実際の風景と映像を組み合わせた自動運転車両での拡張現実(AR)体験を実施。観光コンテンツや移動時の車内の新たな楽しみ方として、将来の実用化を視野に提案していく。
NTTドコモや愛知県などと共同で、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で実証試験を行った。トヨタ自動車は“空間の移動”をコンセプトにした次世代車室空間を初公開した。新たに開発した「SQUAL(スクォール)」は、車室内の透明ディスプレーや4Kディスプレーに風景映像などを映し、実際にその場所を走行しているような体験ができる。シートが振動して臨場感を高めるほか、手を挙げるとカメラが検知し、空間上で画面の操作が可能だ。
トヨタ紡織は自動運転コンセプト車「MOOX(ムークス)」で、初の走行試験を実施。側面の透明ディスプレーに外の景色と合わせたコンピューターグラフィックス(CG)映像を映し、実際の風景の中をマンモスが歩くといったAR体験を披露した。透明ディスプレーの映像を後部ディスプレーと連動させたり、立体音響やシートの振動を使ったりして高い没入感を実現。センサーで検知した乗客の動作を使った風船割りゲームや、仮想現実(VR)ライブといったコンテンツも盛り込んだ。
試乗した愛知県の大村秀章知事は「自動運転では乗車中のサービスも重要だ。さらに一歩実用化に近づいたと感じる」と話し、実証試験で社会受容性を高める考えを示した。
日刊工業新聞2021年2月13日