AI学習と即時測定が可能!JAXAの雪氷観測実証開始
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は福井空港(福井県坂井市)で、新技術の雪氷モニタリングシステムの実証試験を始めた。ボックス型センサー装置に4種のレーザーとカメラを仕込み、積もった雪の質・厚みによる散乱光強度の違いをとらえ、人工知能(AI)で計測する。空港での実証は初めてで、2020年度は地上予備実証として、雪の質・厚みを変えた1000超のサンプルでAI学習と、リアルタイム測定を予定する。
JAXAは北海道で同システムを北見工業大学などと共同開発中で、21―22年度に空港実証を予定。中間のタイミングで福井県の申し出を受け、福井で先行実証となった。
21年度冬期には福井、北海道の両空港で実証を予定する。また雪氷対策技術を手がける山田技研(福井市)も連動して独自の熱量センサー装置を空港用の埋設型仕様にして実験する。
冬期の空港で降雪の際に滑走路の除雪が必要かどうかは、専門スキルを持つ人手で実値計測して判断するのが世界の実情という。JAXAは世界初の人手に代わる技術として、25年度の実用化を目指している。